「白金ナノコロイド」、コエンザイムQ10を超えるか
女性を中心に人気が沸騰した健康食品素材「コエンザイムQ10(CoQ10)」。アンチエイジング(老化防止)効果をもたらす抗酸化作用が売りなのはご存じのところ。サプリメント、化粧品、アイスと、続々関連商品が出ている。
しかし、2006年、ある物質の台頭がCoQ10ブームに終止符を打つかもしれない。その名は「白金(プラチナ)ナノコロイド」だ。
すべての活性化酸素を除去
たるみやシワなどの老化はおろか、ガン、動脈硬化、心臓病、糖尿病などの原因とされる活性酸素。この活性酸素を除去する抗酸化素材の決定版として、白金ナノコロイドが今、化粧品や食品の業界で注目を集めている。
白金ナノコロイドとは、白金を2ナノメートル(ナノは10億分の1)という極小の粒径にした素材。東京大学大学院の宮本有正教授らの研究によって開発され、その製法特許は、産学連携ベンチャーで2003年1月に設立されたシーテック(東京都渋谷区)に技術移転された。
注目を集める理由は、その効果が既存の抗酸化素材より優れているからだ。
「CoQ10など、従来、抗酸化作用があるとされる素材は、体内にある7種類の活性酸素のうち特定の活性酸素しか除去できない。また、一度活性酸素を除去する役割を果たすと、作用は失われてしまう。それに対して白金ナノコロイドは、すべての活性酸素を除去する効果があり、体内にある限り、半永久的に働く。味もないので商品化しやすい」(シーテックの岡山峰伸社長)。
白金は国から食品添加物として承認されており、もちろん商品化には問題ない。
期待の本命は化粧品
白金ナノコロイドは、たるみやシワを改善する美容液から、日焼けやシミを防止する基礎化粧品まで応用範囲は広い。